
カジュアルからビジネスシーンまで、春夏秋冬のオールシーズンで活躍する「オックスフォードシャツ」。
ボタンダウンの衿型との組み合わせは、『OCBD (Oxford Cloth Button Down)』という愛称で呼ばれるほど、アメリカでは昔から多くの人に慣れ親しまれています。
登場以来、1世紀以上の時を経ても色褪せることなく、様々なスタイルアイコンが袖を通してきたメンズファッションのマスターピースの一つであるこのシャツについて、その魅力と歴史、選び方から着用のポイントまで解説していきます。
1. オックスフォードシャツの魅力

使用されているオックスフォードクロスという生地の名前にちなんで名付けられたこのシャツは、その実用性から世界中の男性のワードローブの定番となっています。
これほどまでに「オックスフォードシャツ」が長きにわたり人気を博し続けている理由を、生地の特徴という観点から紐解いていきましょう。

しっかりとした厚みがありながら、柔らかく肌触りの良いオックスフォードクロスは、肌離れが良く通気性に優れているため、オールシーズンで着回すことができます。
この生地の特徴について、繊維製品品質管理士(TES)の資格を持つ古牧さんにお話を伺いました。

オックスフォードクロスは、平織りの変化組織の一つです。
アップルパイの表面でパイ生地が帯状に交差しているのを見たことがありますか?
あのように経糸と緯糸が1:1で交差する最も単純な織組織が平織りです。

オックスフォードクロスは引き揃えた糸の割合が2:1や3:2など、複数の糸を横並びにする構造になっています。
複数の糸が横並びであるということは、経糸と緯糸が交差した際に、糸と糸の間に図のような隙間ができますね。

オックスフォードクロスが、通気性に優れ、肌離れが良い理由は、この隙間が空気の通り道となり、凹凸のある生地感を生み出しているからなのです。
また、隙間があることで、適度に糸の間にゆとりが生まれ、生地に力が加わった際にも受け流すことができるようになっています。
糸が引き揃えてあること、そして糸に適度な隙間があること。
これらの条件を兼ね備えていることで、オックスフォードクロスは優れた耐久性を有するのです。
次に、オックスフォードクロスが柔らかで軽い着心地になる理由を、糸の断面が限りなく円に近い形だと仮定して説明します。
まず、小学校で習う円の面積の公式「半径×半径×円周率」を思い出してください。
直径1mmの糸があったとして、断面積は0.5mm×0.5mm×3=0.75㎟となります。
この糸で生地を織り上げたとき、経糸と緯糸が交差する箇所は厚みとして2mm程度になると思いますが、これと同じような見た目の生地を目付※を軽くして織り上げることができるのがオックスフォードクロスなのです。(目付※=生地の1㎡あたりの重さ)
直径0.5mmの経糸を2本横並びにすると、断面積は0.25mm×0.25mm×3×2本=0.375㎟ですね。
つまり、同じ素材で構成されていれば、似たような見た目にも関わらず、1:1の平織り生地よりオックスフォード生地の方が43%も断面積が少なくなるということなのです。
面積が少なくなるということは当然重量も減るので、生地の目付は格段に軽くなりますし、生地も屈曲しやすく、柔らかな風合いの生地となります。

また、シワのなりにくさは生地が元の状態に戻ろうとする力に依存するのですが、柔軟性のある生地はこの力に優れています。
オックスフォードクロスにシワができにくいと言われているのも、似たような見た目であれば1:1の平織り生地よりオックスフォードクロスは使用する糸がしなやかになるため、後者の方が相対的にシワになりにくくなるというのが理由なのです。
オックスフォードクロスの特徴を改めてまとめてみましたが、時代を超えて多くの人々に受け入れられているのも納得でした。
糸の構成は肉眼ではなかなか分かりづらいですが、図解のおかげでイメージがしやすかったのではないでしょうか?
それでは続けて、この生地を活用したオックスフォードシャツの足跡を辿っていきます。
2.オックスフォードシャツの歴史

オックスフォードクロスが誕生したのは19世紀末のスコットランド。
ある紡績会社が競合他社との差別化を図るために、さまざまな経糸と緯糸の組み合わせを研究開発して、当時から有名であったオックスフォード、ケンブリッジ、ハーバード、イェールの4つの名門大学から名前を拝借したシャツ用の生地を売り出したことが始まりでした。
当時としては革新的に実用性の高い生地であったことから、オックスフォードクロスは快適で着心地の良い服を求めていた、とある競技の選手たちの間で人気を博したことをキッカケに、数多くのテキスタイルの中で不動の地位を築くこととなります。

乗馬をしながらスティックで球を相手ゴールに打ち込み、得点を競い合うという非常に激しいポロ競技では、耐久性と通気性に優れたオックスフォードクロスはまさに理想的でした。
加えて、競技中の馬は時速60km以上で走ることもあるため、選手たちはシャツの衿が風でバタつかないように、衿の先端をボタンで留めるという実用的でスタイリッシュなデザインを考案しました。
この特徴的なディテールに観戦席から興味を示したのが、アメリカ最古のアパレルブランド・ブルックスブラザーズ(Brooks Brothers)の創業者の孫であるジョン・E・ブルックスです。
1896年、ブルックスブラザーズはアメリカ市場において、ボタンダウンのシャツを『ポロカラーシャツ』として販売開始しました。
その後、アイビーリーグを中心としたアメリカの学生たちの間での定番アイテム化。
そして、ハリウッドスターやミュージシャン、アーティストなどの時代のスタイルアイコンたちが積極的に自らの着こなしに取り入れたことにより、1950~60年代にはその人気が決定的に。
オリジナルであるオックスフォードクロスとの組み合わせである『OCBD (Oxford Cloth Button Down)』は、最もトラディショナルなボタンダウンのシャツとして、メンズファッションのベーシックアイテムの一つとなったのです。
3. オックスフォードクロスの種類
一口にオックスフォードクロスと言っても、様々な種類の生地があります。
それぞれの特徴をスキルタのラインナップと共にご紹介させていただきますので、是非参考にしてください。
オックスフォード
太番手の糸で織り上げていることで、スポーティーでカジュアルな印象のシャツに。
近年では服装自由化により再注目を集め、ジャケパンスタイルやオンオフ兼用で需要が高まっています。

¥10,890~
生地特徴:綿素材
素材:綿100%
糸番手:40/1×20/1

¥9,790~
生地特徴:綿素材 / ストレッチ
素材:綿100%
糸番手:40/1×20/2

¥23,100~
生地特徴:綿素材
素材:綿100%
糸番手:80/2×38/3
▶ ≪オックスフォードの生地一覧≫はこちら (SKYRTAへリンクします)
ピンオックスフォード (ピンポイントオックスフォード)
オックスフォードより細番手の糸を用いることで、その優れた機能性を残しながら、ビジネススーツとの相性にも優れたシャツに仕立て上がります。
ドレスアップとカジュアルダウンの二刀流で活用できるバランス感覚が魅力の生地です。

¥9,790~
生地特徴:綿素材 / 形態安定
素材:綿100%
糸番手:50/1×40/1

¥10,890~
生地特徴:綿素材 / コンパクトヤーン
素材:綿100%
糸番手:60/1×60/1

¥25,300~
生地特徴:綿素材 / 形態安定
素材:綿100%
糸番手:50/1×50/1
▶ ≪ピンオックスフォードの生地一覧≫はこちら (SKYRTAへリンクします)
ロイヤルオックスフォード
80番手以上の上質な細番手の糸で織り上げた最もドレッシーなオックスフォードクロスが、ロイヤルオックスフォード生地です。
上質で洗練された印象になるため、ドレスコードを求められるようなシチュエーションでも活躍します。

¥10,890~
生地特徴:綿素材
素材:綿100%
糸番手:80/2×80/2

¥10,890~
生地特徴:綿素材
素材:綿100%
糸番手:80/2×80/2

¥23,100~
生地特徴:綿素材
素材:綿100%
糸番手:100/2×100/2
▶ ≪ロイヤルオックスフォードの生地一覧≫はこちら(SKYRTAへリンクします)
ドビーオックス
ドビー織りにより籠のような凹凸を持ちながら、光沢感と艶感を持ったドレッシーなシャツに仕立て上がります。
ビジネスからパーティーシーンまで、華やかなシチュエーションにも映える生地です。

¥9,790~
生地特徴:綿素材 / 形態安定
素材:綿100%
糸番手:50/1×40/1

¥10,890~
生地特徴:綿素材
素材:綿100%
糸番手:80/2×80/2

¥22,000~
生地特徴:綿素材
素材:綿100%
糸番手:90/2×90/2
▶ ≪ドビーオックスの生地一覧≫はこちら (SKYRTAへリンクします)
